日本人の英語学習者の中には「would」の使い方に苦戦する人も少なくありません。
なぜなら、学校で英語を習うときには「“will”の過去形」と習うことが多いから。
でも、「“will”=~だろう(未来)」と教えられますよね。そうすると当然、
ん? 未来の過去形ってどういうこと?
という風に、矛盾が生じてくるわけです。本記事では、「will」が持つイメージからはじまり、「would」の意味と使い方を紹介していきます。
「Will」のイメージ
「would」を使いこなせるようになるためには、まず「will」のコアイメージを理解しなければなりません。「will」のイメージは大まかに(かなりざっくりと)分けると、以下の3種類になります。
② 推量
③ 習慣/傾向
この3つについて、例文を挙げながらひとつずつ説明していきますね。なお、説明はしますが、これをすべて覚える必要はまったくなし! ニュアンスとして受け取ってもらえればと思います。
① 強い意志
強い意志(意思)を表すときに用いられる「will(~するつもりだ)」を話題に挙げるときは、必ず同列に並んで出てくる「be going to」。この2つの違いについてはまた別途お話しようと思いますが、「will」は「その場で決めたこと」に使われます。
つまり、「その場で決めるぐらい強い意志(意思)を持っている」ということです。そのため、必ずしも「be going to」に置き換えられるとは限りません。
この場合は本人の意思決定によるものなので、主語が「I(私)」であることがほとんどです。
② 推量
日本人が一般的に「未来形」として習う「~だろう」は、この推量にもっとも近いと言えるでしょう。こういう風に「これからのこと」を思い起こさせるようなニュアンスの「未来形」は「単純未来」と呼ばれます。
「推量=~だろう」とすると意思が弱いように聞こえますが、実際のところ、そんなことはありません。なんなら、この「①~③までニュアンスが違ったら面倒臭いよ~!」という人もいるはず。
そんなときは最悪「必ず~だろう」というイメージだけ頭の片隅にポッと置いておいてくれればOK!
「意志(意思)」ではなく「推量」なので、主語は「I(私)」以外のなにかになることが多いです。
③ 習慣/傾向
日本人が一番困惑しがちなのが、おそらくここ。そしてこれからお話する「would」に関係が深いのも、この部分のイメージです。
習慣と傾向。例えば英語でよく聞く言い回しとして、
という表現があります。これは「男っていつまで経っても少年よね」ということ。「will」が入っているにもかかわらず、意志(意思)でもなければ推量でもないですよね。分類としては「傾向(=男はこういうもの)」ということになります。
あるいは、
という風に使えば「習慣」ということです。なぜそれを習慣(「will」)だと断言できるか。それは「今までもそうだった」という経験に裏付けされた根拠のある行動(習慣)だからですよね。だからこれについても「必ず~する」というイメージを持っていて差し支えはないんです。
「Would」のイメージ
「will」の本来のイメージを頭の中に入れておけば、「would」も練習次第で自然と使えるようになるでしょう。この時点で「未来」が必ずしも「~だろう」でないということはわかったと思うので、変な矛盾点は消えたわけですね。
さて、ここからが本題。「would」の意味と使い方を説明していきます。「would」が持つコアイメージは、おもに以下の通り。なおこちらに関しても丸暗記する必要はまったくありません。
② 過去の強い意志(意思)
③ 仮定法
④ 丁寧な言い回し
① 過去の習慣
「will」の解説をしたときに「習慣/傾向」というニュアンスがありましたよね。これを過去形にしたもの。そう考えればわかりやすいはず。
「習慣(よく~をする)」を過去形にするとどうなるでしょうか? 「過去の習慣(昔はよく~していた)」となります。なお、こうなると今度は「would」と「used to」の違いとは、という話にもつながってくるのですが、これはまた別の機会に。
過去の習慣を例文で見てみましょう。
② 過去の強い意志(意思)
こちらも「will」に「強い意志(意思)」という意味合いがあったことを考えると、過去形にしやすいのではないかと思われます。「強い意志(意思)がある」から「強い意志(意思)があった」に変わるのです。
学校で習う「~だろう」だけしか覚えていないと、なかなか難しいところですね。
③ 仮定法
日本人があまり得意とはいえない「仮定法」。実際に頭ではわかっていても、実際に使うとなると難しいものですよね。「仮定」というくらいなので、「実際には起きていないけれどもしそうだったら」という「たられば」の話をしています。
でも仮定法なんて、日常的に使うことある?
こんな風に思ったあなた。
あるんです!
「would」の用法としては1、2を争うぐらい日常会話に頻出する使い方です。覚えておいて損はないでしょう。なぜ「will」とは関係のない意味が突然出てきたのかと思うかもしれませんが、実は、まったく無関係というわけでもないんですね。
なぜなら、「will」が持つニュアンスの中には「強い意志(意思)」があるから。下記例文を見てみましょう。
この「would」にも主観的な強い意志(意思)を感じます。だから「仮定法」と名前は付いていますが、「will」と関係ないとは言い切れません。
④ 丁寧な言い回し
「will」「would」に限らず、英語のルールとしてまず覚えておいてほしいこと。それは「遠回し(過去形)で言ったほうが柔らかく丁寧なニュアンスに聞こえる」ということです。
そのため、ビジネス英語だと割と多用されがちなイメージかもしれません。
より、
のほうがより丁寧にお願いをしているイメージ、と言えばわかりやすいでしょうか? また、英語には長く言えば言うほど丁寧に聞こえるという性質があるので、例えば
こんな感じにどれだけでも長く言うことはできます。ただし、ただ長く丁寧に言えばいいという問題でもありません。そこらへんのバランスはうまく取るようにしましょう。
腰が低すぎると逆に失礼な響きを伴うことがあるので要注意です!
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「Will」のニュアンスを頭に入れて「Would」を使いこなす
上記のことから、「will=未来形=~だろう」とだけ覚えていてもなかなか「would」に活用できないわけが少しわかったでしょうか?
「would」をマスターするには、まず「will」のコアイメージから。
英語学習は一度慣れてしまえば、感覚で掴んだほうが随分と楽になります。
もちろん「can」と「could」、「may」と「might」などほかの助動詞にもそれぞれコアイメージがありますので、気になる人は助動詞にフォーカスした教材を読んでみてくださいね!
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