ワーキングホリデーや海外支社への出向などで、英語もままならない状態での渡航。
そんなときに「このメール、先方に返信しておいてね!(もちろん英語で!)」と上司に言われたら、ちょっと、どころかとんでもない緊張を強いられますよね。
日常会話さえ苦手なのに、突然のビジネスメール。
ビジネス英語といったらやけにハードルが高いように感じますが、実は日常会話よりもテンプレート化されていることが多いので、覚えてしまえが意外と簡単なんですよ!
今回は、ビジネスシーンで使える英文メールの例文を紹介します。
【テンプレート】ビジネスシーンで使える英文メール
日本でビジネスメールと言えば、きっちりかっちりしたお堅いイメージが強いもの。
でも実は、海外にはビジネスだからこそ先方(相手)と仲良くなりたい。フランクに、でも相手を気遣って丁寧に、というスタンスの国も多くあります。
本記事では、そんな国に赴任、あるいはワーキングホリデーで運良く事務職をゲットした人のために、よく使う言い回しをご紹介!
〇〇してくださり、ありがとうございました。
もしすでに先方と直接顔を合わせた、あるいは一緒にプロジェクトをこなした場合、本文はまずお礼からはじめましょう。これは日本語のメールでも同じですね!
- Thank you very much for 〇〇.
- Thanks a lot for 〇〇.
【例文】Thanks a lot for your prompt reply/response!(早々のご返信、ありがとうございました!)
ご返信遅れてしまい、申し訳ございません。
- Sorry for not replying sooner!
直訳すると「もっと早くに返信せず、申し訳ございません」。日本語にすると少々不思議なニュアンスになりますが、英文メールではよく使われる言い回しです。
そのあとに「I’ve been busy doing 〇〇.(〇〇をしていて忙しくて)」「I was on a holiday.(長期休暇に出ていて)」と簡単な理由付けをしてあげると優しさを感じます。
〇〇の件でご連絡しました。
- I am writing to you to/for 〇〇.
もし何の件で連絡したかを伝える必要があるとしたら、できるだけ簡潔に、短く。英語圏で暮らす人たちの中には、あまり長文で長々と「こうでああで、うんたらかんたら…」と語りすぎると読み飛ばす人がかなりの割合でいます。ちゃんと理由を理解してほしいなら要点だけをまとめて1行、2行程度で!
はじめまして!
- Nice to meet you!
はじめての英語の授業で習うテンプレートの中のテンプレート。ですが、文明の進んだ現代では直接顔を合わせるよりも前に、メールで挨拶を交わすパターンが増えてきました。
そんなときは、学校で習った「Nice to meet you.」に加えて、
- Nice to e-meet you!
と言う人もいます。
ちなみに私はよく後者を使っていました!
添付資料(画像)をご確認ください。
- Please find attached the documents/images.
しっかり英語を学んでいれば学んでいるほど、「え、attached(添付した)とthe(その)が逆じゃない!?」と思ってしまうもの。もちろんそれでも通じますが、こちらも正解です。
むしろこう送ってくる人が多いので、「ネイティブなのに英語間違えてる!」というわけではありません。
ご返信、お待ちしております。
- Look forward to hearing back from you soon!
いくらカジュアルなビジネスメールとはいえ、最後を挨拶でしめるのは日本語も英語も同じ。
- Look forward to hearing back!
だけでも通じますが、だいたいみんな同じ書きかた。営業メールだとしても、挨拶文などでオリジナリティーを出す必要はありませんよ!
ご協力、お気遣い感謝します。
- Thank you very much for your cooperation and consideration!
上記の「ご返信、お待ちしております」のあとに付ける常套句。これで締めくくれれば、ビジネス英文の上級者とも言えるでしょう。
なお、「cooperation」と「consideration」の部分は、比較的自由に変更することが可能です。
【例文】Thank you very much for your support!(あなたのサポートに感謝します!)
〇〇してくださるとうれしいです(幸いです)。
- I would (I’d) be grateful if you could 〇〇.
- It would (It’d) be great if you could 〇〇.
- I would (I’d) appreciate if you could 〇〇.
- It would (It’d) be appreciated if you could 〇〇.
いくら取引先の人がフレンドリーだとしても、ビジネスはビジネス。なにかお願い事をしなければならないシーンは必ずどこかで発生するはずです。そんなときに使える丁寧なフレーズがこちら。
【例文】It’d be great if you could provide us with an image of the party.(パーティーの写真を1枚用意していただけるとうれしいです)
〇〇していただくことは可能ですか?
- Would it be possible if you 〇〇?
- Would you mind 〇〇ing 〇〇?
後者の場合、さらにカジュアルにいきたいときには「would」を「do」に変えても◎。
【例文】Would you mind explaining this?(これについて説明していただくことは可能ですか?)
ちなみに「explain」と来たらつい「about」と付けてしまいそうですが、「explain」に「about」は×です!
〇月〇日までに返信が必要です。
- Sorry to rush you, but I need your response by March 14th.
「~までに」という意味の「by」は表記した期日を含んでいるので、要注意。上記例で言うなら、3月14日に返信が来る可能性があるということです。
なお、「sorry to rush you」というのは「急かしてごめんね」という意味なので、緊急的に対応してもらう必要ある場合は付けてあげるといいかもしれませんね。
〇〇し次第、すぐに返信します。
- I will get back to you as soon as 〇〇.
「あなたに返信する」は英語で「get back to you」。「折り返す」という広い意味合いで使われるフレーズなので、もちろん電話応対のときにも応用できます。
もしくは、「I will get back to you tomorrow morning.(明日の朝、折り返します)」というように、日程を指定することも。
私の理解(認識)が正しければ…、
- If my understanding is correct,
日本語同様、英語でも事態や進捗状況を把握しておくために事実確認をしておかなければならないことが多々あります。そんなときに使えるフレーズ。
【例文】If my understanding is correct, the fact has been confirmed. Is that right?(私の認識が正しければ、事実が確認されたということで合っていますか?)
今日のランチ、楽しめたならいいのですが!
- I hope you enjoyed your lunch!
急にどういうこっちゃ!? ビジネスと関係ある!?
こんな声が聞こえてきそうですが、ビジネスメールはビジネスメールでも、担当者(相手)と仲良くなってくるとまるで友達のようなカジュアルな会話が差し込まれることがあります。
例えば、メールのやり取りをしている最中に「ちょっと今からランチ行ってくるから、返信は午後になるからね!」というような感じ。
そんなときは、次回返すメールの冒頭に「ランチ、楽しめたならいいのですが!」と書いてあげるとより親密度アップ!
これで実際に「今日はサーモンの寿司(Sushi)を食べたのよ!」とランチ内容まで返ってきたことがあります(実体験)。
よい休暇を!
- Happy Holidays!
世界には、担当者がクリスマス~年末年始にかけて、あるいは有給休暇を取得して数週間単位で突然休暇に出てしまうというケースが多々見受けられる国があります。
もともと密に連絡を取っている取引先なら事前に教えてくれますので、そんなときは気分よく休暇を満喫できるようこう声をかけてあげましょう。クリスマス前なんかは「Merry Christmas and Happy New Year!」でも良いのですが、相手がどんな宗教を崇拝しているかわからない以上、宗教絡みの単語(クリスマスや正月等)を盛り込むのは少しリスキー。
そんな海外ならではの事情もあって、多くの人は「Happy Holidays!」と表現します。もちろんこちらは口語でも有効的なフレーズです。
お元気ですか。
- I hope this email finds you well.
もし、数カ月ぶりに先方と連絡を取り合う場合、「お久しぶりです」「お元気ですか」というような挨拶文を持ってくるのは英語も同じ!
ただし、このニュアンスって結構不思議ですよね。
直訳すると「このメールがうまくあなたを見つけるといいのですが」。かなり不思議なので、もうフレーズとして覚えてしまいましょう! それが一番楽。
こまめに連絡を取り合っている、あるいは先週連絡を取ったばかりというような人にはあまり使わない文章なので、使いかたには要注意です。
質問がありましたら、いつでもご連絡ください。
- Don’t hesitate to contact/ask me anytime if you have any questions.
- Feel free to contact/ask me anything any questions if you have any questions.
営業職の人だったら必ず付け足しておかなければならない気遣いフレーズ。
これがなくとも相手はもともとハッキリと意思を伝えてくる海外の人。とはいえ、ある程度の優しさや気遣いを見せてあげるのはマナーのひとつでしょう。
結びの言葉
- Best Regards,
- Warm Regards,
- Kind Regards,
- Best Wishes,
- Regards,
- Sincerely,
ここが日本語のメールとはちょっぴり違う部分。英文メールではほとんどの場合、名前の前に「結びの言葉(フレーズ)」というものが付きます。しかも種類が多い。
強いて言うなら「Sincerely,」までくると少々お堅いイメージですが、そのほかはだいたい同じニュアンスなので、好きなのを選んで使いましょう。
これらはあくまでもビジネスメールで使えるフレーズのひとつ。友達や家族など、もっと親密な相手に使えるフレーズも存在しますので、気になる人は調べてみてくださいね!
【例文】Best Regards, Mocha.(モカより)
私はなんとなく「Best Regards,」か「Regards,」を無意識に使っている場合が多いですね。
ビジネス英語の参考になるオススメ本!
インターネットで経験者の知恵を借りるのもひとつの手ですが、世の中には面白い本がいっぱい出回っています。今回は、筆者(@MochaConnext)が実際に読んで「使える!」と思ったビジネス英語の参考になる書籍を紹介します。
その英語 仕事の相手は カチンときます(デイビット・セイン著)
上記で紹介したように「使える実践的なビジネス英語のテンプレート」を覚えるのも、業務を円滑に進めるのに重要なこと。
でも実は、「使ってはいけない(使わないほうがいい)フレーズ」を頭に入れておくことのほうが大事だったりします。
なぜなら、英語が多少つたない状態だと、相手を文章で喜ばせたり安心させたりするのは案外難しいものですが、カチンと来させるのはとても簡単だから。海外で、特に移民が多いニュージーランドやオーストラリアなどの国だと、非ネイティブだからといって英語に情けをかけてくれる人はあまりいません。外国人がいる環境が当たり前だからです。
だからこそ、ビジネスシーンでの英語はしっかりマスターしておくべき。こちらの「その英語 仕事の相手は カチンときます(デイビッド・セイン著)」に載っている英文は非常に簡単なものばかり。だけどやはり、相手をイラッとさせてしまう可能性があるのです。
仕事で英語を勉強しなければならない人は必読! 初心者にも優しく、わかりやすい説明が読みやすい!
英文ビジネスEメール実例・表現1200(Z会編集部著)
英語の成り立ちや構造を理解するよりも前に、フレーズだけでバンバン覚えていきたいという切羽詰まった人にオススメしたいのがこちら!
シーンごとに例文が載せられているので暗記しやすいのに加え、もしもっと踏み込んで理解したい場合は、状況に合わせて伝えるべきことやおさえるポイントなどの細かい説明も表記されています。
ただシーンに合わせたフレーズを使うだけなら暗記するだけでいいので、初級者~上級者まで、読者層を選ばないのが魅力のひとつです。
会話もメールも英語は3語で伝わります(中山裕木子著)
×My job is an English teacher.⇒〇I teach English.
知的でわかりやすい「やさしい英語」をマスター!(引用元:会話もメールも英語は3語で伝わります「帯」)
書籍の帯に書かれているとおり、英語って実はシンプルなもの。
日本人が授業で英語を習うときというのは基本的にグラマー(文法)中心なので、いざ実践で使おうとするとまず頭でごちゃごちゃと考えがち。でも意外と、伝わる英語というのはシンプルで単純なものだったりします。
上記の引用でも記載したように頭で文法を組み立てたあとに「My job is an English teacher.」というより簡潔かつわかりやすく、けれど正しい英語で「I teach English.」と言ったほうが楽ですよね。
ビジネス英語もまったく同じ! 短くできるものは短く、簡潔に伝える練習は必要不可欠です。といっても、まずは自分の頭で英文を組み立てられるようになってからの話。
レベルは中級~です。
ビジネスだからと身構えずとりあえず挑戦を!
ビジネス英語と聞くと、つい身構えてしまいがち。
でも実は、日常会話とそう変わらないんですよね。
ところが日本語の中に「丁寧語」や「尊敬語」「謙譲語」などいろいろな視点での言い回しがあるせいで、英語にもそのニュアンスを持っていってしまう人が多いのが現実です。
あまりガチガチに固められた「ああで、こうで、これがこうなって、」と堅苦しいメールを送り付けてしまうと、それが仮に正しい英語であったとしても「それってつまりどういうこと?」と正確な意図が伝わらないことがありますので、注意したほうがいいでしょう。
まずはカジュアルかつ丁寧な姿勢を基本に、気軽に取り組むことが大事。
もし間違えてしまったら、謝ればいいだけの話なのです。長年海外で暮らす日本人だって何度もミスを繰り返して上達しているのですから、間違えることはなにも恥ずかしいことではありません。
むしろ上達の証! ということで、仕事で英語を使うことになった人、あるいは使っているけれどまだまだわからないことが多くて困るという人は、英語関連の業務に積極的に手を挙げてみることを推奨します。