「make」を日本語に直してください。
こんな問題が出たら、おそらくほとんどの人は「作る」と答えますよね。学校で習う基礎単語のひとつですから、当然といえば当然です。
でも実は、英語というのは奥が深いもので、簡単な単語になればなるほど、意外といろんな意味を持ち合わせていることも。
本記事では、「作る」のイメージが強い「make」の使い方を紹介します。
✔ 「make」のコアイメージ
✔ 「作る」以外の意味&例文
✔ 日常会話で使える「make」のイディオム(熟語)
✔ 基礎学習におすすめの本
「make」のコアイメージ
たしかに「make」のコアイメージは「なにかを作る」で間違っていません。形あるものであれ、目に見えないものであれ、日本語で「作る」と表現できるものはたいてい「make」を使えば表現できます。
「make」の意味なんて誰でもわかるよ……学校で習う基礎中の基礎じゃん!
きっと、そう思う人も少なからずいるでしょう。
でも実は、「make」をはじめ「get」や「have」のように、英語学習における初期の段階で覚えた単語ほど、いろんな場面で活用できることが多いんです。
それでは「作る」をコアイメージに置いて、それ以外の使い方を紹介していきます。
「作る」以外の使い方と例文
「作る」以外の使い方はおもに下記の3通り。どれもよくよく考えてみれば「make=作る」に相通じるものがありますので、ニュアンスやイメージで覚えてしまいましょう。
「~する」
えっ、「~する」って「do」じゃなかったっけ……?
それもあります。
ただ、「~する」が「作る」のイメージと連動している場合、口語的に「make」が使われるシーンはかなり多いので頭に入れておいたほうがいいでしょう。旅行なんかのときにも使える便利な言い回しがたくさんあります。
「予約する」は「make a reservation(booking)」。
「予約(=a reservation)」を「作る(=make)」イメージといえばわかりやすいでしょうか。ほかにも、こんな言い回しに使えます。
こんな具合です。
こちらについても、「電話(=a phone call)」を「作る(=make)」というところから派生して、「電話をする(=make a phone call)」ということができます。
「~になる」
「~になる」も「become」とかって習った記憶があるけど?
たしかに。
たしかにそうなんです。だから余計混乱しがちなんですが、日常的にこの表現を使う人がたくさんいます。
どのように使うのか例文を紹介しますね。
「作る(=make)」とだけ暗記していると、つい「良い父親を作るってどういうこと!?」と思ってしまいそうなフレーズです。
ちなみに映画「フォレスト・ガンプ 一期一会」でこんなセリフがあるんですよ。それを思い出して「make」の記事を書こうと思いついたというわけです。(I’ll make a great fatherだったかも……)
>>>【ネタバレなし】「フォレスト・ガンプ 一期一会」人生を駆け抜けろ!対極にいる2人がたどる運命とは
とにかく、これで「良い父親になるよ」という意味。「良い父親になる(=自分自身で良い父親を作る)」と考えれば、なんとなくイメージ的に納得できますか?
日本人からしたらあまりなじみのない表現ですが、日常的に出てくる言い回しです。
「~させる」
使役動詞として、学校で習った記憶がある人もいるのではないでしょうか?
使役動詞の「make」とはこの「~させた(させる)」の部分ですね。
文法の構造としては《make+人+動詞の原形or形容詞》。
意思に反して「(誰かに)なにかをさせる」というときにも使えれば、「(誰かを)特定の状態にしてくれる」という場合にも使えます。
たとえば後者でいうなら、例文2のとおり、「彼氏(=My boyfriend)」が「幸せな状態を作ってくれる(=makes me happy.)」というニュアンスです。
日常会話で頻出する「make」を使ったイディオム
「make」のイメージは上記のとおりです。ただし、「make」にはほかにも日常会話で頻出するイディオムがたくさんあります。ここでは「これさえ覚えておけば大丈夫!」という4つのフレーズを紹介します。
「make sense」
- make sense=筋が通っている
「筋が通っている」……? なんて、日常生活で使うことある?
そう疑問に感じる人もいるかもしれませんが、かなりの頻度で耳にするフレーズです。「筋が通っている」と聞くと少し硬いイメージかもしれませんが、「なるほどね!」程度の軽いノリで使われることがほとんど。
相槌にこんな言い回しがあったり。
「つじつまが合っていない」「筋が通っていない」と首を傾げたいときの相槌としても。また、まれに「That makes no sense」という人もいます。
また、授業やレッスンの中で先生にこんな質問が投げかけられたら、それまでの内容についていけているか(=わかっているか)という意味です。
「make sure」
- make sure=確かめる
プライベートでもビジネスでも、日常的に出てくる言い回しです。
もちろん、「Make sure to」以降(「Turn off~」)だけでも文章としては成り立ちます。それにもかかわらず、なぜ冒頭にわざわざ「make sure」を付けるのか。
それは「make sure」が念押し表現だからです。
「必ずそうしてね」「ちゃんと確かめておいてね」という強調が、言外に言い含められているんですね。
《Make sure to+動詞の原形》、《Make sure that+主語+動詞の原形》。
なお、《Make sure that》の「that」は口語表現では略されることもしばしばあります。
「make it」
- make it=成功する、実現できる、間に合う
ちょっと非ネイティブの人にとってはわかりづらい表現かもしれませんが、こちらもネイティブにとっては非常に馴染み深い言い回しのひとつです。
たとえば苦労や苦難を乗り越えて、やっと「成功した」というときの褒め言葉(あるいは歓喜、喜びに共感する言葉)として使われます。
もちろん自分自身に対して、「I made it!(やってやったぜ!)」というふうに使うのもあり。
簡単に意訳すれば「来れる?」という表現になりますが、「パーティーに来られる(=パーティーに来ることを実現できるか)?」ということです。
また、ほかにもこんな言い回しが。
こんな具合に、時間に対して「間に合う」「間に合わない」という場合にも使えます。
「make up one’s mind」
- make up one’s mind=決心する
これは日本語でいうところの「心を決める」ですね。「one’s」には「my」や「his」「her」などの人称代名詞を当てはめます。
「心(マインド)を作り上げる」=「決心(決意)する」というところでしょうか。
簡単な単語ほど便利で不便
英語学習をはじめた当初に習う単語ほど、簡単で便利。でも実は、簡単であればあるほどに、いろんな意味を兼ねそろえている単語、あるいはたくさんのイディオムを持っている単語は多いものです。
便利は不便。
不便さをうまく乗りこなして、「make」の使い方をニュアンスでマスターしましょう。
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※本記事の情報は2020年7月時点のものです。
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