人間だれしも、一度つらい目に遭ったら二度目は慎重になるものです。
そんな状況を英語で表すとしたら「Once bitten, twice shy」。
「一度噛まれて、二倍人見知りに」?
直訳するとこのような感じになりますが、今回は実際これがどのような意味になるのか、わかりやすく解説していきます。
※本記事の情報は2023年10月時点のものです。
「Once bitten, twice shy」の意味
「Once bitten, twice shy」の意味は、
です。
日本語で言うところの「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ですね。
「羹に懲りて膾を吹く」とは、熱い吸い物を飲んで火傷をすると、それに懲りて冷たい膾や和え物のような冷たいものまで吹いてさます様子を表したことわざです。
つまり、一度失敗をすると、二度目は必要以上に注意深くなるということのたとえですね。
話は戻り、件の「Once bitten, twice shy」ですが、ここで言う「shy」とは「人見知りな」「恥ずかしがりの」ではなく、「用心深く」というような意味になります。
なお、英英辞書には、
said when you are frightened to do something again because you had an unpleasant experience doing it the first time
と記載されています。
これを見る限りでは「初めてなにかをした際に嫌な経験をした(痛い目に遭った)ために、同じことをもう一度するのを怖がる様子」という感じですね。
なので、ニュアンス的に考えると、必ずしも「羹に~」とまったく同じになるというわけではないでしょう。
また、洋楽を好んで聴く人の中には「《Once bitten, twice shy》ってなんか聞いたことあるような……」と思った人も多いのではないでしょうか。
実は、このことわざは「Wham!(ワム!)」の「Last Christmas(ラスト・クリスマス)」の中でも上手に使われています。
Once bitten and twice shy
I keep my distance, but you still catch my eye
という部分。
これは、
だからあなたとは距離を置いているのに、
それでもあなたに目を奪われる
という意味です。
実に上手な取り入れ方です。80年代に発表された楽曲ですが、今でもクリスマスの時期になると街のあちこちで流れていますね。
「Once bitten, twice shy」を使った例文
「Once bitten, twice shy」の使い方を紹介します。
(ねえ、オイスター食べに行かない?)
B: Well, maybe not this time.
(ええと、今回は見送るよ)
A:Um, I thought you liked them so much, though?
(え、君ってオイスターめちゃくちゃ好きだと思ってたんだけど?)
B: Yes I did. But I got sick after eating them last week. Once bitten, twice shy!
(そうなんだけど、先週、オイスター食べたら具合悪くなったんだよね。ちょっと怖くてさ!)
(彼氏とか作らないの?)
B: I don’t think I need one at the moment. Once bitten, twice shy. Wayne, my ex, cheated on me and I had to end our 5 year relationship.
(今は必要ないかもね。一度痛い目見ると、二度目は慎重になるでしょ。ウェイン――元カレなんだけど、5年付き合ったあとに彼に浮気されて、別れなきゃいけなかったんだもの)
まとめ
「Once bitten, twice shy」の意味は下記の通りです。
面白い表現ですよね。
日本語のことわざというと、日常会話の中で使うのはかなりの難易度になりますが、この「Once bitten, twice shy」は頻繁とは言えずとも、それなりに耳にする表現です。
「Last Christmas」のように歌詞の中で使われることも多いので、馴染み深い言い回しのひとつでもあります。
※本記事の情報は2023年10月時点のものです。