普段、なんとなしに使っている「ワンワン」「ニャンニャン」などの動物の鳴き声。
小さいころから当たり前のように慣れ親しんできた表現ではありますが、例えば豚の鳴き声が日本語で「ブー」や「ブヒー」であるのに対し、英語では「oink, oink」であるように、日本語と英語ではかなり異なります。
今回は、動物の名前と一緒に、鳴き方について学習していきましょう。
身近な動物の鳴き声
まずは、犬や猫のように、人間の身近に感じられる動物の鳴き声から見ていきます。日本語と英語、どちらがよりリアルに感じられるでしょうか? ペットがいる人は、実際に比べてみるとより面白いですよ!
犬(dog)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ワンワン | bow-wow | バウワウ |
ウーウー | woof | ウッフ(ウーフ) |
ガルル | growl | グラウル |
キャンキャン | yelp | イェルプ |
クゥン | whine | ワイン |
「bow-wow(バウワウ)」は大型犬、「yelp(イェルプ)」は小型犬の鳴き声に使われるイメージがあります。例えるなら、ゴールデンレトリバーは「bow-wow」、チワワは「yelp」という感じです。
また、「犬が吠える」を動詞にすると「bark(バーク)」。
(うちの犬が友達に向かって吠えている)
ほかにも、こんな面白い表現があります。
(彼はむなしく抗議している)
「bark at the moon」で「むなしく抗議する」「いたずらに騒ぎ立てる」といった意味になります。
これは直訳すると「月に吠える」。
もちろん、その意味の通りに使っても問題はないのですが、「月に吠える」――つまり、「無意味で益のないこと」ということから「むなしく抗議する」「いたずらに騒ぎ立てる」「愚痴を言う」ことの比喩としても使われるんですね!
また、
(もしかすると、我々は見当違いなことをしているのかもしれない!)
「bark up the wrong tree」で「見当違い(お門違い)なことをしている」という意味。
直訳すると「間違えた木に向かって吠える」ですが、こちらは19世紀(1800年代)初頭のアメリカで生まれた表現だそうです。
なんでも、猟犬を用いた狩猟に由来するものだとか。
アライグマ(獲物)が木の上に逃げ、それを追いかけていた猟犬が(そこにアライグマがいると思って)間違った木に大声で吠えることがあったからだと言います。
猫(cat)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ニャー | meow | ミャオウ |
mew | ミュー | |
ゴロゴロ | purr | パー |
ウー | yowl | ヤウル |
シャーッ | hiss | ヒス |
ギャー(発情期) | caterwaul | キャタウォール |
代表的な猫の鳴き声といえば「meow(ミャオウ)」ですが、それ以外にもいろいろあるんですね。
ちなみに、この「meow」はそのまま動詞としても使えます。
(猫がニャーと鳴くのを見た)
面白いですよね。
文章の中に自然に取り入れられる動物の鳴き声オノマトペは他にもあるので、ぜひチェックしてみてください。言葉の選択肢の幅がグンと広がりますよ!
また、「猫(cat)」を使った慣用句もたくさんあります。
例えば、
(外は土砂降りだ)
というような表現。
直訳すると意味がわからなくなりますが、「rain cats and dogs」で「土砂降り」という意味になります。
なお、由来は北欧神話だとのこと。北欧神話では、猫には雨を降らせる力があり、犬には風を起こす力があると信じられていたんだそうです。
まあ、この表現を使っている人はあまり見たことがないんだけど、いざ聞いたとき混乱しないように、一応頭に入れておいてもいいかもね! ちなみに、由来については諸説ありだよ。
続いては、
(わたしは授業中、うたた寝をした)
です。
「catnap」で「うたた寝(をする)」。
動詞としても名詞としても使える便利な単語ですが、「cat(猫)」+「nap(昼寝)」だなんて、なんとなく可愛らしいイメージですよね。積極的に使っていきたいところです。
ほかにも、
(彼女のことについて聞くな、好奇心は身を滅ぼすぞ)
なんていうものもあります。
会話をしている相手に「好奇心があるのもいいけど、ほどほどにね」と伝えたいときなどに使ってみましょう。
カラス(crow)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
カーカー | caw | コウ |
英語の読み方ですが、厳密には「コウ」と「カア」の真ん中あたりの発音なので、日本語のオノマトペとあまり変わらない印象ですね。
ウサギ(rabbit/hare)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ピョンピョン | boing-boing | ボインボイン |
厳密には鳴き声ではなく「跳ねる音」。
日本語と同じく、英語にもウサギが鳴くときの声に該当する正確なオノマトペはありません。聞いているだけで、なんとなくピョンピョンと飛び跳ねる光景が思い浮かびそうな音です。
なお、一般的な日本の英語教育では「ウサギ」を「rabbit」と習いますが、海外ではよく「hare(ヘア)」とも言います。童話の「ウサギとカメ」を英語にすると「The Hare and the Tortoise」になるのが、良い例ですね。
では、「rabbit」と「hare」では何が違うのか。
「飼い(室内)ウサギ」と「野生のウサギ」で覚えている人もいるようなのですが、実はこれで区別するのは間違いです。家で飼っているか、それとも野生かはほとんど関係ありません。
見分けるのに重要なのはウサギの品種(種類)だからです。
「rabbit」は「穴ウサギ」、「hare」は「野ウサギ」を指します。
飼いウサギとして一般的に人気なのは穴ウサギのほうなので、いつしか「飼いウサギ=rabbit」の方程式が成り立ってしまったのでしょう。
ちなみに、もうひとつよく耳にする「bunny(バニー)」は「子ウサギ」のことで、こちらは日本語で言うところの「うさちゃん」の響きを持っています。
鳥の鳴き声
ひとくちに鳥といっても、ニワトリやハト、アヒルなど、いろんな種類がありますよね。鳥ごとにどんな鳴き声をしているか、見ていきましょう。
ニワトリ(rooster/hen)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
コケコッコー | cock-a-doodle-doo | クックァドゥードゥルドゥー |
コッコッコッ | cluck cluck | クラッククラック |
ニワトリの鳴き声といえば「cock-a-doodle-doo」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はこれ、雄鶏の鳴き声に限定されているんです。
雌鶏は一般的に「cluck cluck」と表現されます。
また、「雄鶏」が「rooster」、「雌鶏」が「hen」というのも注目ポイント。
え、ニワトリは英語で「chicken(チキン)」って習ったような……?
そう思う人もいるかもしれませんが、基本的に「chicken」は「鶏肉」のことです。基本的にというのはつまり、「生きているニワトリ」を「chicken」と表現する場合もあるから。
ただし、その場合は可算名詞にすることが求められます。
(わたしは家で2羽のニワトリを飼っている)
例えば「s」を付けて複数形にすれば、鶏肉ではなく「生きているニワトリ」ということになります。一羽の場合は、「a chicken」と「a」を付ければOK!
「I love chicken.」などのように、「a」や「s」を付け忘れると「(鶏肉として)ニワトリが大好きです」という意味になってしまうので要注意です。
ハト(pigeon/dove)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
クックー | coo | クー |
ハトにも2通りの呼び名があります。
ひとつは「pigeon(ピジョン)」、もうひとつは「dove(ダヴ)」です。ウサギのとき同様、こちらも種類によって使い分けられています。
基本的に、日本人がハトと聞いて思い浮かべるのは「pigeon」のほうでしょう。こちらは、駅前や公園などに集まっているタイプのハトのことです。
次に「dove」ですが、こちらは手品なんかで使われる真っ白なハトと言えばわかりやすいでしょうか?
「pigeon」にネガティブなイメージがあるのに対し、「dove」には「愛・平和の象徴」と言われるほどのポジティブなイメージがあります。某トータルビューティケアブランドの名前も、この「dove(ハト)」から来ているのだとか。
アヒル/カモ(duck)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ガーガー | quack quack | クワックワッ |
この「quack」にはほかにも、「騒々しく無駄口を叩く」「ヤブ医者」などの意味があります。どの言語もそうですが、ひとつの単語に複数の意味があることも珍しくないので、まとめて覚えていきたいものですね。
また、驚くべきはなんといっても、「アヒル」も「カモ」も「duck」と表されること。日本人は当たり前のように使い分けている単語(動物)ですが、生物学上、この2つに明確な違いはないそうです。
えっ、あんなに見た目が違うのに!?
アヒルはカモ目カモ科。つまり、アヒルはカモの仲間なんですね。そして、アヒルは野生のマガモを原種として家禽化したものです。
フクロウ(owl)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ホーホー | hoot | フートゥ |
tu–whit tu–whoo | トゥウィトゥウー | |
whoop whoop | フーッ(プ) |
魔法使いの世界を描いた某有名映画にも登場するフクロウ。
英語の鳴き声にはいくつかありますが、「tu-whit, tu-whoo」以外は日本語の「ホーホー」となんとなく似ていますよね。
(彼は夜型の人間なんだよね。昨晩も遅くまで起きていたよ)
日常会話でもわりと頻出するのが、この「night owl(ナイト・アウル)」という単語。フクロウにはもともと夜行性のイメージがあるので、比較的、覚えやすいのではないでしょうか。
ちなみに、その反意語は「morning person(朝型の人間)」です。
反意語のほうはひねりがない……!
牧場にいる動物の鳴き声
海外留学をすると、ホストファミリーがファーム(牧場)に連れて行ってくれることも珍しくありません。参考までに、牛や豚、羊など、牧場でよく見かける動物たちの鳴き声を紹介します。
牛(cow)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
モー | moo | ムー |
ほとんど日本語と同じですね!
こちらも動詞として使えるので、
(何頭かの牛がモーモーと鳴いている)
というふうに、文章に組み込むことができます。
牛を表す単語として、ほかにも「cattle(キャトル)」がありますが、「cow」が「乳牛(主に雌牛)」を指すのに対し、「cattle」は「畜牛」を指しています。
豚(pig)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ブーブー | oink oink | ォイン(ク)ォイン(ク) |
どちらかと言えば、英語のほうが実際の鳴き声に近いような気がしますね。
日本では豚を「pig」と習いますが、アメリカ英語とイギリス英語ではやや意味が異なるので、注意しなければなりません。
アメリカ英語で「pig」というと、小さめの若豚を指すことが多いそう。厳密には、120ポンド(54キロ)以下の子豚のこと表しているんだとか。
それに対し、イギリス英語では豚全般を意味しています。
羊(sheep)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
メェメェ | baa baa | バァバァ |
ヤギも同様の鳴き声となっています。
日本語の「メェメェ」は子羊、子ヤギにはぴったりですが、大人の羊、ヤギになると、英語のほうが忠実な気がしますね!
馬(horse)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ヒヒーン | neigh | ネェーイ |
ヒンヒン | whinny | ウィニー |
日本語とはあまりに違うので、最初こそ違和感がありますが、慣れると確かに「neigh(ネェーイ)」に聞こえてくるから不思議です。
ちなみに、小気味のいいパカパカという蹄の音は「clip-clop(クリップクロップ)」と表現します。
動物園で会える動物の鳴き声
いろんな動物に出会える動物園。お出掛けをする機会があれば、日本語と英語の鳴き声を比べてみると、英語学習がより面白く感じられるかもしれませんよ!
ライオン(lion)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ガオー | roar | ロアー |
ウー | growl | グラウル |
グルルル | grrrr | グー |
百獣の王と言われるライオン。
日本語と英語では、鳴き声の響きに大きく差がありますが、よくよく考えてみればライオンが「ガオー」と鳴いているところは見たことがありません。
どれも「r」サウンドが入っているのがポイントですね。巻き舌をうまく使うと、確かに猛獣らしい鳴き声を表現することができます。
サル(monkey)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
キーキー | eek eek | イークイーク |
yack yack | ヤックヤック | |
screech | スクリーチ | |
ウホウホ | ooh-ooh ah-ah | ウゥウ、アッア |
日本語だと、サルはサル以外のなにものでもありませんが、英語になると「monkey」のほかにもさまざまな言い方があります。
例えば「ape(エィプ)」。この「ape」も、いわゆるサルを指した言葉です。「類人猿」という意味もあるので、有名な映画「猿の惑星」の原題は「Planet of the Apes」と言います。
オランウータンやゴリラなどは、この「ape」に分類されます。
そして、「baboon(バブーン)」。調べると、日本語では「ヒヒ」または「オナガザル科」と出てくる「baboon」ですが、これにはマントヒヒやマンドリルなどが含まれます。
このように、ちょっとした部分で的確な表現ができるのが英語上級者。他の言い方もあるので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね!
ゾウ(elephant)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
パオーン | ― | ― |
日本だとわりと小さいころから「ゾウの鳴き声」イコール「パオーン」だと認識しますが、意外なことに、英語だと「パオーン」に該当するオノマトペはありません。
その代わり、「(ゾウの)鳴き声」を表現する名詞や「パオーンと鳴く」を意味する動詞に「trumpet(トランペット)」という単語があります。
(そのゾウは大きな声でパオーンと鳴いた)
例えば、このように名詞として使ったり、
(そのゾウは大きくパオーンと鳴いた)
動詞として使ったりします。
こちらの記事では、ゾウ(elephant)を使ったビジネス英語でも活用できるフレーズを紹介しています。
クマ(bear)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ガオー | roar | ロアー |
なんと、ライオンの鳴き声と同じ!
「ガオー」というように、野太い腹の底から響く唸り声を表すときには「roar」を使えばいいのかもしれませんね。ちなみに、トラの鳴き声も「roar」で表現できます。
その他の生き物の鳴き声
ここからは、昆虫や爬虫類など、動物ではない生き物の鳴き声や音を紹介していきます。日本語との違いを見つけて、楽しんでみてくださいね。
カエル(frog/toad)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ゲロゲロ | ribbit ribbit | リビッリビッ |
カエルには「frog(フロッグ)」と「toad(トード)」、2つの言い方があります。
日本語にするとどちらもカエルですが、厳密に言うと、「frog」はアマガエルのように小さく、水辺に生息するタイプのカエルのこと。
対して「toad」は、ヒキガエルのように大きく、成長すると主に陸地で活動するタイプのカエルのことを言います(茶色く、毒を持つものも多い)。
わかりやすいのは、子どもたちに大人気の絵本「ふたりはともだち」ですね。国語の教科書で読んだことがあるという人もいるのではないでしょうか?
原題は「Frog and Toad are Friends」。登場するキャラクターの「かえるくん」が「frog」、「がまくん」が「toad」です。
さて、カエル(frog)を使った慣用句はたくさんあります。
例えば、
(昨日カラオケに行ったから、今、声が枯れているんだ)
なども、そのひとつ。
「have a frog in one’s throat」で「声が枯れている」「声が掠れている」という意味になります。直訳しても「喉にカエルを飼っている」なので、なんとなくそこから想像できますよね。
ヘビ(snake)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
シュー | hiss | ヒス |
英英辞書を調べてみると、
to make a noise like a long s sound
(出典:Cambridge Dictionary)
あるいは、
to say something in a quiet angry way
(出典:Cambridge Dictionary)
と表記されているので、要は「静かに威嚇するような長い音」ということですね。
ハチ(bee)
日本語 | 英語 | 英語(読み方) |
ブーン | buzz | バズ |
hum | ハム |
ネット上で何かが大きく話題になることを「バズる」などと言いますが、この「バズ」は「うわさ(する)」「がやがや(言う)」などの意味がある単語「buzz」を日本語に置き換えたものです。
英語で「バズる」と言いたいときは、
(彼女はインスタでバズる3つの方法を知っている)
などのように表現します。
「create a buzz」で「うわさになるようなことをする」です。意訳すると「バズる」「バズらせる」。覚えておくと便利かもしれませんね!
また、若者言葉ではないので「hum」に関しては、さらに馴染み深く感じられるのではないでしょうか?
(彼はよく鼻歌を歌っている)
「鼻歌を歌う」という意味がある「hum」。
日本人でも聞き馴染みのある「ハミング」は、この「hum(ハム)」から来ています。
また、ハチドリは英語で「ハミングバード(humming bird)」と言うのですが、これは羽を高速で動かし、その羽音がブンブンという音がハチに似ていることから付けられた名前です。
まとめ:動詞としても使える動物の鳴き声
響きが似ているものもあれば、まったく違うものもある日本語と英語の動物の鳴き声。特に英語の場合は、動詞として使える単語もあるので、覚えておくと日常会話にも役立てることができます。
英語で楽しく動物の鳴き声を学ぶなら、こちらの絵本がおすすめ! 牛や豚、羊など、牧場で見かける動物たちが登場しますよ。
英語の絵本には大人でも楽しめる要素が意外と多いので、ぜひチェックしてみてくださいね。
※本記事の情報は2022年12月時点のものです。
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