No kidding!
必修科目として英語を授業で習い始めたとき、教科書の中でこの表現を見つけた人は多いのではないでしょうか?
からかわれたり、冗談を聞いたりして「まさか!」と返したいときに使う「No kidding!」ですが、英語の教科書どおり、フレーズでまとめて覚えている人も多いはず。
この「kidding」は、動詞「kid」に「~ing」を付けたものです。
「kid」の意味
「kid」には名詞と動詞、主に2つの使い方があります(厳密には形容詞もあるのですが、あまり聞いたことはありません)。
まずは、名詞について。
●(呼びかけ)坊や、ボク/お嬢ちゃん
● 子ヤギ
カタカナ英語でも「子ども」のことを「キッズ(kids)」と言うので、一番上は比較的馴染み深いのではないでしょうか?
あれ、でも、「子ども」は「child(チャイルド)」って習ったような……?
基本的に、「kid」は「child」よりもカジュアルな表現です。なので、フォーマルな場での使用はあまり推奨されません。
また、この「kid」は、子どもに対して「ボク/お嬢ちゃん」と呼びかけるときにも使えます。
ハリウッド映画なんかを見ていると、時折「チビ!」「ガキ!」というふうに翻訳されていたりしますが、これはおそらく、そのキャラクターの性格や態度などからそう訳されているだけで、「kid」という単語そのものには、ネガティブな意味合いはありません。
そして、最後の「子ヤギ」についてですが、なんとこの「kid」という単語はもともと、「子ヤギ」を指す言葉だったらしいのです。それがいつしか、人間の子どもを指す言葉になっていったんですね。不思議。
さて、次は動詞について。
● 冗談を言う
これが先述の「No kidding!」に使われる動詞の「kid」です。
英英辞書にも、
If you are kidding, you are saying something that is not really true, as a joke.
と載っています。
「ジョークとして、真実ではないようなことを言うこと」と書かれていますね。
「kid」を使った例文
ここからは、「kid」を使った例文を紹介していきます。
(冗談だろう?)
(そんなつもりじゃなかったんだ。ただからかっただけなんだよ!)
(ねえ、人をからかわないでよ!)
(彼は昔、私のことをからかうことが多かった)
「kid」を使ったイディオム
「kid」を使ったイディオムをいくつか紹介します。自分が所属している組織や会社で使える表現もあるので、ぜひ覚えておきましょう。
kid around=からかう、ふざける
(彼はふざけるのが好きだ)
大人がふざけている(じゃれ合っている)子どもたちをたしなめるとき、「Stop kidding around!」と言ったりします。
「kid」だけでも「冗談を言う」という意味になりますが、「kid around」は「ふざけまわる」というイメージに近いでしょうか。
the new kid on the block=新人
(お、あの黒いシャツを着た人は誰だい?)
B: He is the new kid on the block here!
(彼は新人だよ!)
「kid」という単語が入っているだけあって、もともとは「その区画に引っ越してきた子ども」を指す言葉だったそうなのですが、いまは大人含め、その地域や組織、会社などのグループに入ってきた新しい人を意味する言い回しになっています。
kid oneself=(人を)甘やかす、考えが甘い
(自分を甘やかすな!)
現実をごまかして、甘えた考えをすることを「kid oneself」と言います。「Don’t kid yourself!」は稀に映画の中で聞けたりしますので、注目してみてくださいね!
kidding aside=冗談はさておき
(さて、冗談はさておき、その触れたくない問題について議論する必要があるね)
なにか真剣な話題を持ってくる際の前置きとして使うことが多々あります。「(the)elephant in the room」については、下記の記事を要チェック! ビジネスシーンでも使える、面白い表現のひとつですね。
まとめ:子どもだけじゃない「kid」の意味
「kid」と言うとつい「子ども」を思い浮かべがちですが、実は、動詞としてもかなり有能な単語です。
いままで「まさか!」を「No kidding!」とだけ暗記していた人は、これを機に、「kid」の使い方をマスターしてみてください。
ネイティブとの会話がより一層、盛り上がること間違いなしですよ!
※本記事の情報は2022年12月時点のものです。
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