インプット(リスニングとリーディング)を中心的に教えるといわれている日本の英語教育ですが、本当にそうでしょうか? 英会話学校に通いはじめたばかりの人、あるいは海外に来たばかりの人の中には、現地の人との会話もままならないという人がたくさん見受けられます。
それは本来のリスニングスキルが身に付いていないからです。
海外留学前に。英語力の向上を目指すときに。ひとりで勉強したいときに。
そんなときには、「ディクテーション(Dictation)」という方法がかなり有効的です。もちろん、人とかかわりながら勉強する方法もあるので、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
✔ ディクテーションの定義
✔ ディクテーションのやり方
✔ ディクテーションをする際の注意点
✔ ディクテーションのコツ
✔ おすすめの教材
ディクテーションとは
the activity of dictating something for someone else to write down:

いや、「Dictation」の説明に「Dictating」使うなよ!
思わず突っ込みを入れてしまいたくなるやや意味不明な説明ですが、例文を見れば納得します。
I’ll ask my assistant to take dictation (= write down what I say).
(アシスタントにディクテーションする《=わたしが言ったことを書き残しておく》ように言っておくよ)
つまりディクテーションとは、「聞いたことを書き取る」という意味です。
インターネット上に落ちているニュース音声やディクテーションサイトが提供する素材などを使い、気軽に取り組むことができます。
ディクテーションにより得られる効果

この写真、本記事のためにわたしがディクテーションしたやつだよ! 聞きながら書き取るので、めちゃくちゃ文字が汚い! 読める人がいたらすごい……。
生の英語を聞いて、耳から入ってきた音をそのまま書き取るというこの方法には、さまざまな効果が見込めます。「英語は勉強したいけどなにから手を付けていいかわからない」という人は、まずここからはじめてみるのもいいかもしれませんね。
リスニングスキルが伸びる
当然、リスニングスキルが伸びるのは前提です。
ただ聞き流すだけでなく、一言一句に集中して書き取るということがディクテーションの大事なポイントになります。「a」や「the」の冠詞、「at」「on」「in」などの前置詞は日本語にない言語的文化でありながら、ネイティブにとってはそれのありなしで意味すら変わってしまうことがあるからです。
そこまで聞き取れるようになったら完璧!
徐々にレベルが上がっていく感覚が、まるでやりこみタイプのRPG(ゲーム)をプレイしているようで楽しく取り組むことができますよ。
音だけでスペルがなんとなく判別できるようになる
ディクテーションをしていれば、中には知らない単語が出てくることもあります。
でも、聞いて、書き取って。聞いて、書き取って。
そんなことを繰り返してリスニングスキルを上げていくうちに、いつの間にか知らない単語でも発音だけでスペリングをすることができるようになるでしょう。
これって結構大事なこと。
なぜなら、ネイティブとの会話ではそんなことが日常茶飯事だから。ただし、わからない単語が出てきたからといって、毎回毎回会話を止めて、意味を確認するわけにもいきませんよね。相手が友達や仕事の同僚だった場合はなおさらです。
そんなときこそディクテーションで培った、「耳でとらえてスペルを書き出す」能力が役立ちます。会話の中で覚えがない単語が出てきたら、なんとなくのスペルをメモしておいて、あとで調べるということもできるんです。
多少わからずともスルーするスキルが身に付く
また、日常会話をはじめ、TOEICやTOEFL、IELTSなどの試験対策で無視できないのは、わからない単語や問題が出てきたときにスルーするスキルです。
意外とこれが難しい。
ひとつわからない単語が出てくると、そこから先に進めない人って少なくないんですね。
でもそれだと、特にスピード勝負のTOEICでは頭を悩ませているうちに問題だけが先へ先へと行ってしまいます。ところが、ディクテーションで「わからないけどとりあえずわかる部分だけ埋めておこう」という状況に慣れておくと、試験で解けない問題が出てきたときもひとまずスルーするスキルが身に付くんです。
自分の苦手な音(弱点)に気付ける
日本人にとって苦手な音は「B」と「V」、「R」と「L」だけだと思いますか?
もちろんそれもあります。日本語にない発音であるだけに、そこを注視してしまいがちなのは事実です。
でも実は、人によって苦手な音はそれぞれ。
ディクテーションをすることにより、何度やってもなかなか聞き取れない音が登場します。
それがその人が特に苦手とする音です。
ディクテーションのやり方
ディクテーションとはただ「聞いて書くだけ」というわけではありません。ここでは、ディクテーションのやり方を解説します。
【1】音声だけを聴く(1~3回ほど)

さっそくはじめよう! さて、メモメモ……。
と、その前に。
まずは音声だけを聞き流しましょう。回数は1~3回ほどが目安です。
どの程度の速さで話しているか、どんな内容の話なのか、自分のレベルに合っているかなどを確認していきます。
【2】大ざっぱにメモしていく
1~3回ほど聞き流しておおまかな内容が掴めたら、次は早速書き取り作業に入っていきます。ここで大事なのは、細部まで聞き逃すまいと一言一句違わず書こうとしないこと。
あくまでも大ざっぱに、聞き取れた部分だけ(アウトラインのみでも可)をメモします。
ディクテーションに慣れた人でも、一度で完璧に書き写すことはほぼ不可能です。普通に考えて、話すのと同じ速度でまったく同じように筆が進む人なんていませんよね。

日本語でも無理ー!
【3】聞き取れなかった部分を埋めていく
大ざっぱに内容を書き写したら、そこでやっと聞き取れなかった部分を埋めていきます。つまり、ディクテーションでは、最低でも3~5回ほどは同じ音声を流さなければならないということです。
少し面倒臭いようにも感じるこの工程ですが、リスニングスキルを上げるにはこれが一番手っ取り早い方法ともいえるでしょう。
また、世の中にはたくさんのアクセント、そして方言(ダイアレクト)があります。アメリカ英語とイギリス英語だけではありません。
ゆえに、ディクテーションをするときには、できるだけいろいろな英語に触れておくことをおすすめします。
【4】スクリプトを見て答え合わせをする
最後に、スクリプト(台本)を見て答え合わせをしましょう。ここまでできてやっと、ディクテーションが完結します。

ただ聞いたものを殴り書きするだけじゃ、合っているかどうかわからないもんね!
ここでもし、何度も出てくる単語であるにもかかわらず毎回聞き取れていない、ということがあれば、イコールそれは自分にとって苦手な音が入っている単語なんですね。分析、そして改善。苦手な音がわかれば、あとはそこを中心に練習するだけです。
ディクテーションをする際の注意点
ただし、ディクテーションをする際には注意点もあります。
⇒ ディクテーションの最中に音声を止めること自体は問題ありません。ただ、たとえば単語ごと、短いフレーズごとに切らないよう心がけましょう。
✔ 完璧に聞き取れなくても気にしない。
⇒ 言語というのは、文脈とのバランスもあります。完璧に聞き取れなくても、文脈から推測できればそれでいいこともあるんですね。なので、完璧に聞き取れなかったからといってあまり気にする必要はありません。
ディクテーションをする際のコツ
ただがむしゃらに聞いて、メモを取る、聞いて、メモを取ると繰り返していても、なかなか上達しないこともあります。それはうまくコツが掴めていないから。うまくいかないなと感じる人は、以下のことを試してみてくださいね。
【1】略せる単語は可能な限り略す
まず、略せる単語は可能な限り略しましょう。
他にも、自分なりに「この単語は頻出してしまうからこうしよう」とオリジナルの略語を作り出してしまうのもひとつの方法です。
【2】スクリプトには長すぎないものを
スクリプト(台本)には長すぎないものを選びます。
工程数からもわかるとおり、ディクテーションって意外と手間や時間がかかるものなんですね。そこで何分もあるスクリプトを選んでしまうと、最初の段階(1~3回ほど聞き流す)時点で、すでに面倒臭くなりがち。
レベルによって長さを変えていくのがベストですが、目安としては40秒~1分程度のものがいいでしょう。

慣れるまでは、30秒以下のものでもいいぐらいだよ!
【3】初級レベルからはじめてみる
ディクテーションをはじめるにあたり、自分のレベルがわからないという人も少なくありません。日本の学校教育ではディクテーションをする文化はありませんから、当然といえば当然です。
どこからはじめていいか迷ったときには、とりあえず初級レベル(ちょっとした会話や、簡単なニュースなど)に挑戦してみることをおすすめします。
それでもし自分のレベルに合っていないと感じた場合は、臨機応変に変えていけばいいんです。
【4】好きな教材があればなお良し
それでは、教材にはどんなものがあるのか。
意外と悩むところですが、教材についてはなんでもありです。一番大事なのは楽しみながら勉強すること。だからたとえばそれが好きな映画のワンシーンであったり、気になるニュースであったり。
なにを教材に選ぶかはすべて自分次第です。
ただし、ちゃんと答え合わせができるスクリプトを用意できるものにしましょうね。
ディクテーションにおすすめの教材
それでも映画のワンシーンや英語のニュースだとまだハードルが高い! いや、好きな映画はあるけど、選ぶのも大変だからディクテーション用の教材があれば助かる……。
こんな人も少なくないはず。
もちろん、おすすめの教材もたんとありますよ。
① ディクテーションの知識がゼロでも関係なし! 今からでもはじめられる英語学習のバイブル
② 少しは英語に自信があるけどさらなる高みを目指したい!
③ 「時間がない」をもう言い訳にしない! 時短学習で効率よくリスニング問題をディクテーションに応用
リスニングスキルはディクテーションで見違えるように
日本にいたり、海外に行ったりしてもなかなかリスニングスキルが向上しないという人にまずおすすめしたいのが、このディクテーション。
生の英語を聞いて書き取るだけだから、ちょっとの手間はかかろうとも気軽に取り組むことができます。
何度も楽しく繰り返しているうちに、気付けば英語脳に早変わり! ネイティブの会話にも難なくついていくことができるようになりますよ。
ディクテーションの成果を実践形式で実感したいという人は、マンツーマン形式で英語の練習ができるオンライン英会話もおすすめです。
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※本記事の情報は2020年7月時点のものです。

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